ふるさとのもとあらの小萩咲きしより
夜な夜な庭の月ぞうつろふ
- 歌の意味
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古里の、根もとのまばらな小萩が咲いてから、夜ごとに庭の月が移ろっていく。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 393
詞書「五十首歌たてまつりし時、月前草花」
月の十八首目である。詞書の「月前草花」は、月の前の草花、の意である。萩が咲いてから月の位置が夜ごとに変わることを詠む。
作者の「摂政太政大臣」は藤原良経である。本巻では第二百九十三首
第三百五十六首ほかに続く登場となる。
場面は秋の夜、場所は古里の庭である。
直接の契機は五十首歌の詠進である。
初句「ふるさとの」は古びた里、旧い住まいをいう。本集の春歌でくり返された語で、本巻でも第二百九十三首
第三百三十七首
第三百七十四首に現れた。
二句「もとあらの小萩」の「もとあら」は根もとがまばらであることをいう。丈が低く疎らに生えた萩である。
三句「咲きしより」は、咲いてから、の意である。萩の開花を起点として時間が測られる。
四句「夜な夜な庭の」の「夜な夜な」は毎夜、の意で、第三百七十三首の良経歌でも用いられた語である。
結句「月ぞうつろふ」は「ぞ」の係り結びである。「うつろふ」は位置が移る意と、色が褪せる意をもつ。第三百八十九首の家隆歌でも用いられた語である。月の位置が夜ごとに変わることによって、萩の咲いてからの日数が示されており、草花と月とが時間の目盛りとして結ばれている。
もとあら:根もとがまばらであること
よなよな:毎夜
うつろふ:位置が移る。また色が褪せる
- 作者
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藤原良経
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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