松島や潮汲むあまの秋の袖
月は物思ふならひのみかは
- 歌の意味
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松島の、潮を汲む海人の秋の袖よ。月は物思いをする者のためだけの習わしであろうか。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 401
詞書は前の歌に続き「海辺秋月」
海辺の月の三首目である。労働する海人の袖にも月が宿ることを述べ、月は物思いをする者だけのものではないと詠む。原文では詞書が改めて記されていない。
作者の鴨長明は本巻では第三百六十六首
第三百九十七首に続く三度目の登場となる。
場面は秋の夜、場所は陸奥国の歌枕である松島である。第三百九十九首の雄島も松島の一部である。
直接の契機は歌合への出詠である。
初句「松島や」は地名に詠嘆の間投助詞を添えた形である。
二句「潮汲むあまの」は、海水を汲んで塩を作る海人をいう。第三百九十首の慈円歌の塩釜と同じ営みである。
三句「秋の袖」で対象が定まる。労働のために濡れた袖である。
四句「月は物思ふ」で、月と物思いとが結ばれる。本巻では第三百五十七首以来、月と物思いを結ぶ歌が続いてきた。
結句「ならひのみかは」の「ならひ」は習わし、常のあり方をいう。「のみ」は限定、「かは」は反語の係助詞である。月は物思いをする者の習わしだけであろうか、いやそうではない、の意になる。歌に詠まれてきた月の約束事そのものに理屈を差し向けており、第三百五首の俊成歌が荻と秋風の縁を問うたのと同じ型である。
しほくむ:海水を汲んで塩を作る
ならひ:習わし。常のあり方
かは:反語を表す係助詞
- 作者
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鴨長明
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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