心こそあくがれにけれ秋の夜の
夜深き月をひとり見しより
- 歌の意味
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心こそさまよい出てしまったのだった。秋の夜の、夜更けの月をひとりで見たときから。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 406
詞書は前の歌に続き「題しらず」
月と心の三首目である。月を見たことによって心が身を離れたと詠む。原文では詞書が改めて記されていない。
作者の源道済は平安時代中期の歌人で、三十六歌仙の一人に数えられる。巻第三では第百七十八首に現れた。
場面は秋の夜更け、場所は特定されない。
詠まれた直接の契機は伝わらない。
初句「心こそ」は「こそ」の係助詞で、二句の已然形が結びとなる。心を主語として立てる言い方であり、巻第一の第八十一首の貫之歌、本巻の第三百十首の俊成歌と同じ構えである。
二句「あくがれにけれ」の「あくがる」は心が身を離れてさまよい出る意である。巻第一の第八十一首でも用いられた語で、そちらは春の山辺へ向かった。
三句
四句「秋の夜の夜深き月を」で対象が示される。「夜深き」は第三百九十八首の秀能歌でも用いられた語である。
結句「ひとり見しより」は、ひとりで見たときから、の意である。「ひとり」が置かれることで、心が離れた原因が孤独にあることが示される。第三百八十四首の頼宗歌が人一倍月を眺めたと詠んだのに続き、この歌はその結果として心が身を離れる段階に至っている。
あくがる:心が身を離れてさまよい出る
よふかし:夜が更けている
ひとり:ひとりで
- 作者
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源道済
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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