見る人の袖をぞしほる秋の夜は
月にいかなる影かそふらん
- 歌の意味
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見る人の袖を濡らすのだ。秋の夜は、月にいったいどのような光が添うのだろう。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 409
詞書「月を見てつかはしける」
ここから月をめぐる贈答が置かれる。この歌は、秋の月がなぜ人を泣かせるのかと問い、相手へ送られた。次の第四百十首がその返しである。
作者の「藤原範永朝臣」は平安時代中期の歌人である。巻第九の第八百六十七首にも歌が採られている。
場面は秋の夜、場所は特定されない。
直接の契機は、月を見て歌を詠み送ったことである。
初句
二句「見る人の袖をぞしほる」は「ぞ」の係り結びである。「しほる」は濡らす意で、第四百二首の七条院大納言歌でも用いられた語である。
三句「秋の夜は」で場面が定まる。
四句「月にいかなる」の「いかなる」はどのような、の意である。
結句「影かそふらん」の「影」は光をいい、「か」は疑問の係助詞、「らん」は現在推量である。同じ月でも秋は人を泣かせるのはなぜか、何かが光に加わっているのではないか、という問いになる。第三百六十七首の西行歌が秋の悲しみの理由を問うたのと同じ構えであり、そちらが季節一般、こちらが月に絞られている。第三百八十三首の堀河院歌の「光さしそふ」と同じ語が、ここでは疑問の対象として用いられている。
しほる:濡らす
かげ:月の光
そふ:加わる
- 作者
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藤原範永
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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