- 歌の意味
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たつた山に夜半の嵐が松を吹くので、雲とは縁の薄い、峰の月の光よ。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 412
詞書「題しらず」
雲と月の二首目である。嵐が吹くので雲が寄りつかず、峰の月が冴えると詠む。詞書は「題しらず」で、詠作の事情は伝わっていない。
作者の「左衛門督通光」は源通光である。内大臣源通親の子で、のち太政大臣に至った。本巻では第三百五十一首
第三百七十八首に続く三度目の登場となる。
場面は秋の夜半、場所は大和国の立田山である。第三百二首の忠通歌でも詠まれた地である。
詠まれた直接の契機は伝わらない。
初句「たつた山」は地名であるが、その音に嵐が「立つ」が響く。二句に「嵐」が置かれることで、その響きが働く。
二句「夜半に嵐の」で風が示される。前歌と同じく夜半の嵐である。二首が並べて置かれている。
三句「松吹けば」は確定条件である。松を鳴らす風の音が示される。
四句「雲には疎き」の「疎し」は親しくない、縁が薄い、の意である。嵐が吹くために雲が寄りつかないという理屈を、人の交わりの語で述べている。巻第一の第五十一首の西行歌の「疎きも人は」と同じ語である。
結句「峰の月影」は体言止めである。前歌が雲を払う嵐を詠んだのに対し、この歌は雲を寄せつけない嵐を詠む。同じ結果を、払うと寄せないという別の言い方で示している。
たつた:大和国の地名。「立つ」の音を響かせる
うとし:親しくない。縁が薄い
つきかげ:月の光
- 作者
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源通光
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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