秋風にたなびく雲の絶え間より
漏れ出づる月の影のさやけさ
- 歌の意味
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秋風になびいてたなびく雲の切れ間から、漏れ出てくる月の光の、その清らかさよ。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 413
詞書「崇徳院に百首歌たてまつりけるに」
雲と月の三首目である。雲の切れ間から漏れる月光の清らかさを詠む。詞書によれば崇徳院に詠進した百首歌の折の一首で、久安六年に成立した久安百首を指す。第三百一首
第三百四十首も同じ百首の詠である。
作者の「左京大夫顕輔」は藤原顕輔である。『詞花和歌集』の撰者で、六条藤家の歌学を築いた。巻第二では第百二十四首に現れた。第三百四十首の作者である清輔は子、第二百九十六首の作者である顕昭は養子にあたる。
場面は秋の夜、場所は特定されない。
直接の契機は百首歌の詠進である。
この歌は顕輔の代表作として広く知られる。
初句「秋風に」で原因が示される。前の二首が嵐によって雲を払ったのに対し、この歌の風は雲をなびかせるにとどまり、切れ間を作るだけである。三首が風の強さの度合いで並べられている。
二句「たなびく雲の」の「たなびく」は横に長く引く意である。
三句「絶え間より」は雲の切れ間から、の意である。本巻の第三百十七首
第三百八十三首でも用いられた構図であり、狭い隙間から見るという型がここでも働く。
四句「漏れ出づる月の」の「漏る」は光が漏れる意で、第三百七十五首の俊成女歌、第三百九十六首の寂蓮歌でも用いられた語である。そちらは漏れないことを詠んでいたが、この歌では漏れ出る。
結句「影のさやけさ」は体言止めである。「さやけし」は清らかで明るい意、「さ」は形容詞を名詞化する接尾語である。感情を述べず、光の性質だけを名詞で言い切って終わる。
たなびく:横に長く引く
たえま:とぎれた間。切れ目
さやけし:清らかで明るい
- 作者
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藤原顕輔
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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