- 歌の意味
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月でさえ慰めることのできない秋の夜、その心も知らずに吹く松の風であることだ。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 419
詞書「家に月五十首歌よませ侍りける時」
前歌と同じく月と松風を詠むが、こちらは松風が心を乱す側に置かれる。詞書によれば自邸で月の五十首歌を詠ませた折の一首である。原文では作者名が改めて記されておらず、前の歌と同じ作者が続くことを示している。
作者は前歌に続いて藤原良経である。
場面は秋の夜、場所は松のあるところである。
直接の契機は五十首歌の詠出である。
初句「月だにも」の「だに」は、〜でさえ、の意である。月は慰めとなるべきものの代表であるから、それでも慰まないという言い方になる。
二句「慰めがたき」の「がたし」は〜しにくい、の意である。
三句「秋の夜の」で場面が定まる。
四句「心も知らぬ」は、こちらの心も知らずに、の意である。松風に人の心を解さない者としての性格が与えられる。第三百八十四首の頼宗歌が「月は誰とも分かじ」と月の無関心を詠んだのと同じ型が、ここでは風に向けられている。
結句「松の風かな」は体言止めである。前歌が風を松に預けて月に向かったのに対し、この歌は月では足りず、その上に風が心を知らずに吹く。二首が同じ素材を、慰めと乱しという逆の働きで扱っている。
だに:〜でさえ
がたし:〜しにくい
なぐさむ:心を慰める
- 作者
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藤原良経
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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