月をなほ待つらんものか村雨の
晴れゆく雲の末の里人
- 歌の意味
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月をなお待っているのだろうか。村雨の晴れていく雲の、その果てにいる里の人は。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 423
詞書「雨後月」
詞書の「雨後月」は、雨の後の月、の意である。雨の上がった雲の彼方にいる人を思いやる。
作者の宮内卿は後鳥羽院に仕えた女房歌人で、若くして世を去った。本巻では第三百九十九首に続く三度目の登場となる。
場面は秋の夜、場所は特定されない。視線は遠い里へ向けられる。
直接の契機は「雨後月」の題による詠である。
初句「月をなほ」で対象が示される。
二句「待つらんものか」の「らん」は現在推量の助動詞、「ものか」は詠嘆を含む疑問である。まだ待っているのだろうか、という問いになる。
三句「村雨の」は激しく降ってすぐやむ雨をいう。巻第三の第二百十四首
第二百十五首でも用いられた語である。
四句「晴れゆく雲の」は、次第に晴れていく雲、の意である。こちらでは雨が上がりつつあるが、雲の去っていく先ではまだ晴れていない。
結句「末の里人」は体言止めである。「末」は行き着く先をいい、第三百七十八首
第四百二十二首でも用いられた語である。自分は月を見られるが、雲の去る先の人はまだ待っているだろうという構成であり、第三百八十二首の三条院歌が山の向こうの人を思ったのと同じく、同じ時刻に別の場所にいる人を思いやる型である。
ものか:詠嘆を含む疑問を表す
むらさめ:激しく降ってすぐやむ雨
すゑ:行き着く先
- 作者
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宮内卿
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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