秋の夜は宿かる月も露ながら
袖に吹きこす荻のうは風
- 歌の意味
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秋の夜は、袖に宿を借りる月も露のままで、その袖に吹き越してくる荻の上風よ。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 424
詞書「題しらず」
月と露と荻を一首に集める。詞書は「題しらず」で、詠作の事情は伝わっていない。
作者の「右衛門督通具」は源通具である。内大臣源通親の子で、『新古今和歌集』の撰者の一人。本巻では第三百七十四首に続く三度目の登場となる。
場面は秋の夜、場所は荻の生えるあたりである。
詠まれた直接の契機は伝わらない。
初句「秋の夜は」で場面が定まる。
二句「宿かる月も」の「宿かる」は宿を借りる意である。月が袖の露に宿ることをいい、第三百八十六首の忠通歌が萩の下露に宿る月を詠んだのと同じ観念である。「も」は、月までも、の含みである。
三句「露ながら」の「ながら」は、〜のままで、の意である。宿を借りたはずの月が、露のままで消えやすい状態に置かれている。
四句「袖に吹きこす」は、袖に吹き越してくる、の意である。風が吹けば露は散り、月も消える。
結句「荻のうは風」は体言止めである。「うは風」は上を吹く風をいい、本巻の第三百六首
第三百十一首
第三百五十二首などで詠まれた「荻のうは葉」と同じ草である。月と露と荻という、この巻の主要な素材が一首に集められており、巻の終わりに近い位置にふさわしい。
やどかる:宿を借りる
ながら:〜のままで
うはかぜ:上を吹く風
- 作者
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源通具
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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