秋の田に庵さす賤の苫を荒み
月とともにやもりあかすらん
- 歌の意味
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秋の田に庵を作る賤しい者は、苫が粗いので、月とともに漏れ入る光を受け、また田を守って夜を明かすのだろうか。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 431
詞書「崇徳院御時百首歌めしけるに」
田の庵の一連を締めくくる歌である。庵の主が月とともに夜を明かすと詠む。詞書によれば崇徳院の御代に召された百首歌で、久安六年に成立した久安百首を指す。第四百十三首も同じ百首の詠である。
作者の「左京大夫顕輔」は藤原顕輔である。『詞花和歌集』の撰者で、六条藤家の歌学を築いた。本巻では第四百十三首に続く二度目の登場となる。
場面は秋の夜、場所は秋の田の庵である。
直接の契機は百首歌の詠進である。
初句
二句「秋の田に庵さす」の「さす」は庵を作る意である。
二句「賤の」は身分の低い者をいう。巻第三の第二百十九首の実定歌でも用いられた語である。
三句「苫を荒み」の「苫」は菅や茅を編んだ屋根の覆いで、「荒み」は目が粗いので、の意である。形容詞の語幹に「み」が付いて原因を表す語法である。
四句「月とともにや」の「や」は疑問の係助詞で、結句の「らん」に係る。
結句「もりあかすらん」は第四百二十八首と同じ語である。「もり」は光が漏れる意と田を守る意との掛詞であり、「あかす」は夜を明かす意である。三首が同じ掛詞を共有しており、屋根の粗さが漏れる原因として具体的に示される点で、この歌は最も理屈が通っている。
いほさす:庵を作る
しづ:身分の低い者
とま:菅や茅を編んだ屋根の覆い
もりあかす:光が漏れる意と田を守る意を掛け、夜を明かすことをいう
- 作者
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藤原顕輔
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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