- 歌の意味
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秋の色は籬から次第に遠ざかっていくけれど、手枕に馴れ親しんだ閨の月の光よ。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 432
詞書「百首歌たてまつりし秋歌に」
秋の色が衰えていく中で、月光だけが変わらず寝所に差すと詠む。詞書によれば百首歌を詠進した折の秋の歌である。
作者の式子内親王は後白河天皇の皇女で、賀茂斎院を務めた。本巻では第四百十六首
第四百十七首に続く七度目の登場となる。
場面は秋の夜、場所は寝所である。
直接の契機は百首歌の詠進である。
初句「秋の色は」で主題が掲げられる。草木の色をいう。
二句「籬に疎く」の「籬」は竹や柴を粗く編んだ垣で、巻第三の第二百七十五首、本巻の第三百四十首でも用いられた語である。「疎し」は親しくない、縁が薄い、の意で、第四百十二首の通光歌でも用いられた。庭の草木が衰えて色を失うことを、垣との縁が薄くなると述べている。
三句「なりゆけど」の「ど」は逆接である。
四句「手枕なるる」の「手枕」は腕を枕とすることで、第三百四十六首の人麻呂歌でも用いられた語である。「なる」は馴れ親しむ意で、巻第二の第百二十六首の西行歌でも用いられた。月光が手枕に馴れる、すなわち毎夜差し込むことになる。
結句「閨の月影」は体言止めである。外の色は失われ、内の光だけが変わらない。色と光、外と内という二重の対比が置かれており、本巻の終わりに近く、秋の衰えが示されている。
まがき:竹や柴を粗く編んだ垣
うとし:親しくない。縁が薄い
たまくら:腕を枕とすること
ねや:寝所
- 作者
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式子内親王
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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