秋の露や袂にいたく結ぶらん
長き夜あかず宿る月かな
- 歌の意味
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秋の露が袂にひどく結ぶのだろうか。長い夜を飽きることなく宿っている月であることだ。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 433
詞書「秋のうたのなかに」
袖の露に宿る月を詠む。詞書によれば秋の歌のうちの一首である。
作者の「太上天皇」は後鳥羽院である。本巻では第二百八十五首
第三百六十七首ほかに現れており、これが三度目の登場となる。
場面は秋の長い夜、場所は特定されない。
直接の契機は秋の歌としての詠出である。
初句「秋の露や」の「や」は疑問の係助詞で、三句の「らん」に係る。
二句「袂にいたく」の「いたく」は、はなはだしく、の意である。巻第二の第百十首の赤人歌でも用いられた語である。袖の露は涙であるから、涙が多いことになる。
三句「結ぶらん」の「結ぶ」は露が結ぶ意である。本巻の第三百十首
第三百十二首でも用いられた語である。
四句「長き夜あかず」の「あかず」は満ち足りない、飽きないの意である。本巻の第二百九十九首などでくり返された語であるが、ここでは月の側の心として用いられている。
結句「宿る月かな」は体言止めである。露が多いから月が宿り続けるという理屈であり、涙の多さが月の宿りの長さとして示される。第四百二十四首の通具歌が袖の露に宿る月を詠んだのに続き、この歌はその宿りの長さを主題としている。
いたく:はなはだしく
むすぶ:露が結ぶ
あかず:満ち足りない。飽きない
- 作者
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後鳥羽院
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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