おほかたに秋の寝覚めの露けくは
また誰が袖に有明の月
- 歌の意味
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世間並みに、秋の寝覚めが涙がちであるというなら、ほかに誰の袖に宿るのだろう、有明の月は。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 435
詞書「経房卿家歌合に暁月の心をよめる」
詞書の「暁月」は明け方の月の意である。経房卿の家の歌合に出された歌である。
作者の二条院讃岐は源頼政の娘で、二条天皇に仕えた。のち後鳥羽院歌壇でも活躍した。巻第二では第百三十首、巻第三では第二百三十七首
第二百七十一首に現れた。第三百二十九首
第三百八十七首の作者である源頼政は父にあたる。
場面は秋の明け方、場所は特定されない。
直接の契機は歌合への出詠である。
初句「おほかたに」は、世間並みに、一般に、の意である。誰にでも当てはまることとして、という前置きになる。
二句「秋の寝覚めの」の「寝覚め」は夜中に目が覚めることで、本巻の第三百九十五首
第三百九十八首でも用いられた語である。
三句「露けくは」の「露けし」は露に濡れている、また涙がちである、の意である。巻第二の第九十五首の慈円歌でも用いられた語である。「は」は仮定条件を示す。
四句「また誰が袖に」は、ほかに誰の袖に、の意である。誰もが涙がちであるなら、月は特に自分の袖に宿るわけではないことになる。
結句「有明の月」は体言止めである。第四百十首の相模歌が月は自分の袖にしか映らないと述べたのに対し、この歌は誰の袖にも宿りうると述べており、二首が対をなす。
おほかたに:世間並みに。一般に
ねざめ:夜中に目が覚めること
つゆけし:露に濡れている。また涙がちである
- 作者
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二条院讃岐
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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