寝覚めして久しくなりぬ秋の夜は
明けやしぬらん鹿ぞ鳴くなる
- 歌の意味
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夜中に目を覚ましてから、もう長い時がたった。秋の長い夜は明けてしまったのだろうか。鹿の鳴く声が聞こえる。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌下 447
詞書「題しらず」
鹿を詠む一連の十一首目である。夜中に目を覚ましてから長い時がたち、鹿の声を聞いて秋の夜が明けたのかと推し量る。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は平安中期の歌人で、筑前守などを務めた。中古三十六歌仙の一人である。
場面は秋の長い夜の明け方近く、場所は寝所である。
直接の契機は伝わらない。
初句「寝覚めして」は、夜中に目を覚まして、の意である。本巻の第四百四十五首「目覚めて」を受ける。
二句「久しくなりぬ」の「ぬ」は完了の助動詞で、目覚めてから長い時がたったことを表す。眠れないまま過ごした時の長さが示される。
三句「秋の夜は」は、下の句の主題を示す。秋の夜長が意識されている。
四句「明けやしぬらん」は、「明け」に係助詞「や」を挟み、サ変動詞「す」の連用形「し」で受けた形で、「ぬ」は完了、「らん」は現在推量の助動詞「らむ」の連体形として「や」と係り結びをなす。
結句「鹿ぞ鳴くなる」の「なる」は、音にもとづく推定の助動詞「なり」の連体形で、「ぞ」の結びである。長い寝覚めの末に聞こえた鹿の声を、夜明けの近いしるしと受け止めている。第四百三十八首が「さ夜や更けぬる」と夜更けを推し量ったのに対し、本歌は夜明けを推し量り、鹿の声を手がかりに時刻を推す二首が対をなす。「寝覚めして」は第四百四十九首にも用いられ、寝覚めの歌の一連を形作る。
ねざめ:夜中に目を覚ますこと
あく:夜が明ける
- 作者
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源道済
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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