- 歌の意味
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山あいの田の番小屋の近くで鳴く鹿の声に目を覚まされて、今度はこちらが鹿を驚かし追い払うことだ。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌下 448
詞書は前の歌に続き「題しらず」
鹿を詠む一連の十二首目である。山田の庵の近くで鳴く鹿の声に目を覚まされ、今度はこちらが鹿を驚かして追い払う。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は俗名を佐藤義清といい、鳥羽院の北面の武士であったが、二十三歳で出家し、諸国を旅して歌を詠んだ。家集に『山家集』がある。
場面は秋の夜、場所は稲を鹿から守るために山田のほとりに設けた仮庵である。
直接の契機は伝わらない。
初句「小山田の」の「小」は接頭語で、山あいの田を指す。
二句「庵近く鳴く」の「庵」は、田を守るための仮小屋である。稲を荒らしに来た鹿が、庵のすぐ近くで鳴いている。
三句「鹿の音に」の「音」は、鹿の鳴く声である。
四句「驚かされて」は、鹿の声によって眠りから目を覚まさせられて、の意で、「れ」は受身の助動詞「る」の連用形である。本巻の第四百四十五首、第四百四十七首に続く、鹿の声による目覚めである。
結句「驚かすかな」は、田を荒らしに来た鹿をびっくりさせて追い払う意である。同じ「驚かす」を受身と能動で重ね、目を覚まさせる意とびっくりさせる意とで応酬させた機知の歌で、「かな」は詠嘆の終助詞である。前の寝覚めの歌の哀感を諧謔に転じて変化をつけ、「小山田の庵」は第四百四十九首「山里の稲葉」、第四百五十三首「庵守る袖」、第四百五十四首「秋田守る」へと続く田守の歌への橋渡しとなる。
をやまだ:山あいの田
いほ:田を守るために設けた仮小屋
おどろかす:眠りから目を覚まさせる意と、びっくりさせる意がある。本歌では前者を受身で、後者を能動で用いる
- 作者
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西行
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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