- 歌の意味
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秋の田を守るために仮の庵を作って、そこに私がいると、袖が寒い。露が置いていたのだ。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌下 454
詞書「題しらず」
秋の田と秋の寒さを詠む一連の二首目である。秋の田を守る仮庵にいると袖が寒く、見れば露が置いていたと気づく。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は「よみ人しらず」で、名は伝わらない。
場面は秋の夜から明け方、場所は秋の田を守るために作った仮庵である。
直接の契機は伝わらない。
万葉集巻十の作者未詳歌「秋田刈る仮廬を作り我が居れば衣手寒く露ぞ置きにける」と同じ歌の異伝で、初句と四句、結句に小異がある。後撰集秋中の天智天皇「秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ」は、この万葉集の歌の異伝ないし改作と見られている。
初句「秋田守る」は、実った秋の田を鳥獣から守る、の意である。
二句「仮庵作り」の「仮庵」は、田の番をするために一時的に作る粗末な小屋である。
三句「我が居れば」は、已然形に「ば」が付いた確定条件で、私がそこにいると、の意である。
四句「衣手寒し」は終止形で、ここで句が切れる。まず袖の寒さを感じ取ったことが述べられる。前歌の第四百五十三首「庵守る袖」を受けて、田守の袖の身に即した寒さが詠まれ、次歌の第四百五十五首「手を寒み」、第四百五十六首「かりがね寒み」、第四百五十七首「秋風寒く」、第四百五十八首「寒き夜な夜な」と、寒さを詠む歌が続く。
結句「露ぞ置きける」の「ぞ」は強意の係助詞で、詠嘆の「けり」の連体形「ける」で結ぶ。寒さの理由が露であったことに、その時はじめて気づいた驚きが表される。袖に置く露は、第四百六十一首から始まる露の歌群を先取りするものでもある。
かりいほ:田の番などのために一時的に作る粗末な小屋
ころもで:袖
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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