今よりは秋風寒くなりぬべし
いかでかひとり長き夜を寝ん
- 歌の意味
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これからは秋風が寒くなるに違いない。どうして独りで長い夜を寝ることができようか。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌下 457
詞書は前の歌に続き「題しらず」
秋の田と秋の寒さを詠む一連の五首目である。これから秋風が寒くなるのに、独りでどうして長い夜を寝られようかと嘆く。詞書は前の歌に続いて題しらずで、新古今集には詠まれた事情が記されていない。
作者は奈良時代の歌人で、大伴旅人の子であり、中納言に至った。
場面は秋風が寒くなろうとする季節の夜、場所は独り寝の寝所である。
直接の契機は、万葉集によれば、亡くなった妾を悲しんだことである。
万葉集巻三に「今よりは秋風寒く吹きなむをいかにかひとり長き夜を寝む」とあり、天平十一年(739)六月に、亡くなった妾を悲しんで詠んだ歌とされる。新古今集では三句を「なりぬべし」、四句を「いかでかひとり」とする。
初句「今よりは」は、今からは、の意で、これから迎える季節を思いやる。
二句「秋風寒く」で、秋風の冷たさが示される。本巻の第四百五十四首から続く寒さの歌の一つである。
三句「なりぬべし」の「ぬ」は強意、「べし」は推量の助動詞で、きっと寒くなるに違いない、の意となる。ここで句が切れる。
四句「いかでかひとり」の「いかでか」は反語で、どうして…できようか、の意である。「ひとり」に、共に寝る人を失った孤独が込められる。
結句「長き夜を寝ん」の「ん」は推量の助動詞「む」の連体形で、「か」と係り結びをなす。秋風の寒さと夜の長さが、独り寝のつらさを重ねて強める。第四百五十首では鹿の「ひとり寝」の寂しさが思いやられたが、本歌は人の独り寝の嘆きを詠み、鹿から人へと同じ主題が移されている。秋の夜の長さは第四百四十七首「久しくなりぬ秋の夜は」とも響き合う。
ぬ:寝る。結句の「寝ん」はこの語に推量の「む」が付いた形
- 作者
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大伴家持
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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