秋と言へば契りおきてや結ぶらん
浅茅が原の今朝の白露
- 歌の意味
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秋になったといえば、前もって約束しておいたかのように結ぶのだろうか。浅茅が原に置く今朝の白露は。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌下 463
詞書は前の歌に続き「題しらず」
露を詠む一連の三首目である。秋になれば約束していたかのように、浅茅が原に今朝も白露が結ぶと詠む。詞書は前の歌に続いて題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は平安中期の僧、歌人で、中古三十六歌仙の一人である。
場面は秋の朝、場所は浅茅の生える原である。
直接の契機は伝わらない。
初句「秋と言へば」は、秋になったというと、の意で、季節の訪れを条件として示す。
二句「契りおきてや」の「おき」は、前もって約束しておく意の「契りおく」と、露が「置く」意とを掛ける掛詞で、露の縁語として働く。「や」は疑問の係助詞である。
三句「結ぶらん」の「結ぶ」は、露が玉となって生じる意で、「契り」の縁語でもある。「らん」は現在推量の助動詞「らむ」の連体形として「や」と係り結びをなす。ここで句が切れる。
四句「浅茅が原の」の「浅茅」は、丈の低い茅である。
結句「今朝の白露」は体言止めで、主語を倒置して最後に置く。秋になると露が置くという当たり前の自然の運びを、露が秋と約束を交わしていたからだと擬人化して理屈づけている。前歌の第四百六十二首が露の置く日から秋風が吹くと季節の到来を詠んだのに対し、本歌は露の置くことそのものに理由を問う。第四百六十五首も「思ひおくらん」と露の心を問い、同じく「おく」の掛詞を用いている。結句の「白露」は第四百六十一首「秋の白露」と同じ語で結ばれる。
ちぎりおく:前もって約束しておく意に、露が置く意を掛ける
むすぶ:露が玉となって生じる
あさぢがはら:丈の低い茅がまばらに生えた野原
- 作者
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恵慶
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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