おぼつかな野にも山にも白露の
何事をかは思ひおくらん
- 歌の意味
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気がかりなことだ。野にも山にも置く白露は、いったい何を思い残して置いているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌下 465
詞書は前の歌に続き「題しらず」
露を詠む一連の五首目である。野にも山にも置く白露は、何を思い残して置いているのかと、露の心をいぶかしむ。詞書は前の歌に続いて題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は醍醐天皇の皇子で、その治世は天暦の治と称され、後撰集の撰集を命じた。原文の「天暦御歌」は、治世の年号によってその御製を呼んだものである。
場面は秋、場所は白露の一面に置く野と山である。
直接の契機は伝わらない。
初句「おぼつかな」は、形容詞「おぼつかなし」の語幹で、気がかりだ、はっきりせず心もとない、の意の詠嘆を表す。ここで句が切れる。
二句「野にも山にも」は、野にも山にも一面に、の意で、露の置く範囲の広さを示す。
三句「白露の」は、結句の「思ひおく」の主語を示す。
四句「何事をかは」の「か」「は」は係助詞で、疑問を強め、結句の「らん」と係り結びをなす。
結句「思ひおくらん」の「おく」は、心を残す意の「思ひ置く」と、露が「置く」意とを掛ける掛詞である。「らん」は現在推量の助動詞「らむ」の連体形。いたるところに置く露を、何かを思い残して留まっているものと見て、その心を推し量っている。前々歌の第四百六十三首「契りおきてや」と同じく「おく」を掛詞とし、露を心あるものとして擬人化する趣向を共有する。第四百六十三首が露を約束を守るものと見たのに対し、本歌は思いを残すものと見ており、露の心の見立てを別の方向から示している。
おもひおく:心を残す意に、露が置く意を掛ける
- 作者
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村上天皇
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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