庭の面に茂る蓬にことよせて
心のままに置ける露かな
- 歌の意味
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庭一面に茂る蓬にかこつけて、思うままに置いている露であることよ。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌下 467
詞書「閑庭露しげしといふことを」
露を詠む一連の七首目である。庭一面に茂る蓬にかこつけて、露が思うままに置いていると詠む。詞書によれば、「閑庭露繁し」を題として詠まれた。
作者は右大臣藤原俊家の子で、官位には恵まれなかったが、歌学に通じ、藤原俊成の師となった。
場面は秋、場所は訪れる人もなく蓬の茂った庭である。
直接の契機は「閑庭露繁」の題による詠である。
初句「庭の面に」は、庭一面に、の意で、六音の字余りとなっている。
二句「茂る蓬に」の「蓬」は、荒れた庭に茂る草で、人の訪れのない題の「閑庭」を示す。
三句「ことよせて」は、かこつけて、口実にして、の意である。蓬が茂っていることを口実にする、という擬人化である。
四句「心のままに」は、思うままに、遠慮なく、の意である。前歌の第四百六十六首「露しげみ」を受けて、露の多さを露の心から説明している。
結句「置ける露かな」の「る」は存続の助動詞「り」の連体形、「かな」は詠嘆の終助詞である。人が手入れをしない庭では、露も誰にはばかることなく置くという見立てで、題の「露繁し」を理屈によって詠んでいる。第四百六十五首「何事をかは思ひおくらん」に続いて、露に心を認める趣向である。次歌の第四百六十八首は「野草露繁」の題で野の露を詠み、同じ「露繁し」の題を庭と野とで詠み分けた二首が並ぶ。
よもぎ:キク科の草。荒れた家や庭に茂るものとして詠まれる
ことよす:かこつける、口実にする
- 作者
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藤原基俊
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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