野原より露のゆかりを尋ね来て
我が衣手に秋風ぞ吹く
- 歌の意味
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野原から露にゆかりのあるものを尋ねてやって来て、私の袖に秋風が吹くことだ。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌下 471
詞書は前の歌に続き「秋の歌の中に」
露を詠む一連の十一首目で、一連の最後の歌である。秋風が野原から露のゆかりを尋ねて来て、涙に濡れた我が袖に吹くと詠む。詞書は前の歌に続き、秋の歌の中の一首である。
本歌には作者名が記されておらず、前歌を受けて後鳥羽院の歌として配されている。作者は高倉天皇の皇子で、和歌所を置いて新古今集の撰集を命じた。
場面は秋風の吹く秋、場所は野原と、露に濡れた作者の袖である。
直接の契機は前歌と同じく秋の歌の詠作であるが、詠まれた場や年次は記されていない。
初句「野原より」は、野原から、の意で、秋風の吹いて来る出発点を示す。
二句「露のゆかりを」の「ゆかり」は縁のあるもの、の意で、露に縁のあるもの、すなわち涙に濡れた袖を指す。前歌の第四百七十首で露が物思う袖に置くとされたのを受けている。
三句「尋ね来て」は、尋ねてやって来て、の意で、秋風を擬人化している。第四百六十八首では人が露に濡れて野を「尋ね行く」と詠まれたが、本歌では秋風が野から「尋ね来る」と転じている。
四句「我が衣手に」の「衣手」は袖で、秋風がたどり着いた先である。
結句「秋風ぞ吹く」の「ぞ」は強意の係助詞で、連体形「吹く」で結ぶ。野の露と袖の涙とを縁あるものとし、秋風がその縁をたどって袖に吹くという構図で、露の一連を締めくくる。この結句は本巻の第四百四十一首と同じで、そちらでは鹿の居場所を尋ねた人が秋風に出会ったのに対し、本歌では秋風の方が袖を尋ねて来ており、尋ねる者と尋ねられる者が反転している。
ゆかり:縁のあるもの、つながり
ころもで:袖
- 作者
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後鳥羽院
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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