故郷に衣打つとは行く雁や
旅の空にも鳴きて告ぐらん
- 歌の意味
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故郷で衣を打っているということを、渡ってゆく雁は、旅の空の下にいる人にも鳴いて告げるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌下 481
詞書「擣衣をよみ侍りける」
擣衣を詠む一連の七首目である。故郷で衣を打っていることを、渡ってゆく雁が旅の空にいる人にも鳴いて告げるのだろうかと思いやる。詞書によれば、「擣衣」を題として詠まれた。
作者は源道方の子で、大納言に至り、大宰権帥として任地で没した。詩歌管絃に優れた。
場面は雁の渡る秋、場所は旅の空の下と、衣を打つ故郷である。
直接の契機は「擣衣」の題による詠である。
雁は、漢の蘇武が雁の足に手紙を結んで便りを伝えたという故事から、遠く離れた人へ便りを運ぶ使いとして詠まれる。
初句「故郷に」の「故郷」は、旅に出た人の後にした家郷である。
二句「衣打つとは」は、衣を打っているということを、の意で、倒置によって結句の「告ぐ」の内容を先に示す。
三句「行く雁や」の「や」は疑問の係助詞で、結句の「らん」と係り結びをなす。便りを運ぶ使いとされる雁を、故郷から旅先への使者として置く。
四句「旅の空にも」の「も」は、故郷だけでなく旅先にも、の意を含む。
結句「鳴きて告ぐらん」の「らん」は現在推量の助動詞「らむ」の連体形である。旅にある人の側から、故郷で衣を打つ家人を思い、その知らせを雁の声に託している。第四百七十五首が遠くの妻の擣衣を推し量ったのと同じく、衣を打つ者を離れた所から思う立場の歌で、次歌の第四百八十二首は同じ雁を置きながら、待つ側が衣を打つさまを詠み、待たれる側と待つ側の対をなす。
ふるさと:旅に出た人の後にした家郷
つぐ:知らせる
- 作者
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源経信
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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