- 歌の意味
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秋の夜は衣が寒く、筵を幾重に重ねて敷いても、月の光が一面に敷く美しさに及ぶものはない。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌下 489
詞書「月の歌とてよみ侍りける」
月と秋の夜を詠む一連の四首目である。秋の夜は衣が寒く、筵を重ねて敷いても、月の光に及ぶものはないと詠む。詞書によれば、月の歌として詠まれた。
作者は源道方の子で、大納言に至り、大宰権帥として任地で没した。詩歌管絃に優れた。
場面は秋の夜、場所は月の光の差し込む寝所である。
直接の契機は、月を題として歌を詠んだことである。
初句「秋の夜は」の「は」は、他と区別して示す係助詞で、秋の夜を主題とする。
二句「衣さむしろ」の「さむ」は、衣が「寒し」の意と、「さ筵」の「さむしろ」とを掛ける掛詞である。「さ筵」は寝るときに敷く筵で、「さ」は接頭語である。
三句「重ねても」の「ても」は逆接で、筵を重ねて敷いても、の意となる。
四句「月の光に」は、結句の「しく」の比べる相手を示す。
結句「しく物ぞなき」の「しく」は、筵を「敷く」意と、匹敵する意の「及く」とを掛ける掛詞である。「ぞ」は強意の係助詞で、連体形「なき」で結ぶ。床に白く差し込む月の光を敷物に見立て、どれほど筵を重ねてもそれに及ぶものはないと、寒さの中の月の光の美しさを機知によって称える。前歌の第四百八十七首が寝床の月影を霜に見立てたのを受けて、本歌は床の月光を敷物に見立てている。次歌の第四百九十首は同じ「秋の夜は」の初句で起こしている。
さむしろ:衣が「寒し」の意と、寝るときに敷く「さ筵」を掛ける
しく:筵を「敷く」意と、匹敵する意の「及く」を掛ける
- 作者
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源経信
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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