秋の夜ははやなが月になりにけり
ことわりなりや寝覚めせらるる
- 歌の意味
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秋の夜は、はや長月になって、夜も長くなってしまった。道理であるよ、寝覚めをしてしまうのも。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌下 490
詞書「九月晦方に」
月と秋の夜を詠む一連の五首目で、一連の最後の歌である。秋の夜ははや長月となって長くなった、寝覚めをするのも道理だと詠む。詞書によれば、九月の末ごろに詠まれた。
作者は冷泉天皇の皇子で、即位して二年足らずで出家した。
場面は陰暦九月の末ごろの夜、場所は寝覚めをした寝所である。
直接の契機は、秋の終わりである九月の末に、夜の長さを感じたことである。
初句「秋の夜は」は、秋の夜を主題として示す。前歌の第四百八十九首と同じ初句である。
二句「はやなが月に」の「はや」は、もう、はやくも、の意である。「なが月」は、陰暦九月の「長月」と、夜が「長い」意とを掛ける掛詞である。
三句「なりにけり」の「に」は完了の助動詞「ぬ」の連用形、「けり」は詠嘆で、もう長月になったと気づいた感慨を表す。ここで句が切れる。
四句「ことわりなりや」の「ことわり」は道理、「や」は詠嘆の間投助詞で、もっともなことだ、の意である。ここでも句が切れる。
結句「寝覚めせらるる」の「らるる」は自発の助動詞「らる」の連体形で、自然と寝覚めをしてしまう、の意となり、倒置によって四句の「ことわり」の内容を示す。長月という月の名を夜の長さに掛けて、寝覚めがちになるのも名のとおりだと理屈で受け止めた歌である。本巻の第四百四十七首、第四百四十九首では鹿の声や稲葉の風が寝覚めの原因であったが、本歌では長月という月の名そのものを寝覚めの理由とし、秋の終わりの夜の長さに帰している。
ながつき:陰暦九月の「長月」と、夜が「長い」意を掛ける
ことわり:道理、もっともなこと
つごもり:月の末日、月末
- 作者
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花山院
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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