- 歌の意味
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曙に、川瀬の高い波の上を高瀬舟を下してゆくのだろうか。秋霧の中に、舟を操る人の袖がほのかに見える。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌下 493
詞書「河霧といふことを」
霧を詠む一連の三首目である。曙の川瀬を高瀬舟が下ってゆくのか、秋霧の中に舟人の袖がほの見えると詠む。詞書によれば、「河霧」を題として詠まれた。
作者は土御門内大臣源通親の子で、のちに太政大臣に至った。
場面は秋の曙、場所は霧の立ちこめる川の瀬である。
直接の契機は「河霧」の題による詠である。
初句「曙や」の「や」は詠嘆の間投助詞で、夜明けの時を呼び出して一首の場を定める。前歌の第四百九十二首の朝曇りに続き、朝の霧の景である。
二句「川瀬の波の」は、川の浅瀬に立つ波の、の意で、その波の「高」から三句の「高瀬舟」を導く。
三句「たかせ舟」は、浅瀬を行き来する底の平らな舟である。二句の波の「高」を受けて言い掛けたもので、仮名のままとした。
四句「下すか人の」の「か」は疑問の係助詞で、舟を川下へ下すのか、と推し量る。姿は霧に隠れて定かでない。
結句「袖の秋霧」は体言止めで、秋霧の中にほの見える舟人の袖を示す。霧に包まれた川を下る舟の気配を、見え隠れする袖だけで捉えている。次歌の第四百九十四首も宇治の川霧を詠み、霧の中の舟を下に見る本歌と、霧の上に見える山を詠むそちらとで、上下の対をなす。第四百九十五首は霧が隔てて遠くの人の袖も見えないと詠み、霧の中に袖が見える本歌と反転した構図となる。
たかせぶね:浅瀬を行き来する底の平らな舟
くだす:舟を川下へ進める
- 作者
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源通光
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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