- 歌の意味
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群がる雲は、雁の羽ばたく風に吹き払われて晴れたのだろうか。雁の声を聞く空に、澄みわたる月の光よ。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌下 504
詞書「題しらず」
雁を詠む一連の八首目である。群雲は雁の羽風に晴れたのだろうか、雁の声を聞く空に月が澄んでいると詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は僧であるが、経歴の詳細は明らかでない。
場面は雁の渡る秋の夜、場所は月の澄む空の下である。
直接の契機は伝わらない。
初句「村雲や」の「村雲」は、群がり集まった雲で、「や」は疑問の係助詞として三句の「らん」と係り結びをなす。
二句「雁の羽風に」の「羽風」は、鳥の羽ばたきが起こす風である。本巻の第四百五十八首「雁の羽風」と同じ句で、そちらでは羽風に霜が降りたが、本歌では羽風が雲を払うと見立てる。
三句「晴れぬらん」の「ぬ」は完了の助動詞、「らん」は現在推量の助動詞「らむ」の連体形で、晴れたのだろうか、と推し量る。ここで句が切れる。
四句「声聞く空に」は、雁の声を聞く空に、の意で、姿よりも声によって雁の渡りをとらえる。
結句「澄める月影」の「る」は存続の助動詞「り」の連体形で、体言止めとなる。雲が晴れて月の澄んでいる理由を、雁の羽風に求めた機知の見立てである。前歌の第五百三首の「月前聞雁」を受けて、月と雁の声とを一首に結び、雁が月の澄む空を生み出したかのように詠んでいる。
むらくも:群がり集まった雲
はかぜ:鳥が羽ばたいて起こす風
すむ:濁りなく澄みわたる
- 作者
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朝恵
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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