- 歌の意味
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寝覚めをしている袖までも寒く、秋の夜の嵐が吹いているようだ。そこに聞こえる松虫の声よ。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌下 511
詞書「題しらず」
秋の末の虫を詠む一連の二首目で、一連の最後の歌である。寝覚めの袖まで寒く秋の夜の嵐が吹く中に、松虫の声が聞こえると詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は平安中期の歌人で、中古三十六歌仙の一人である。
場面は嵐の吹く秋の夜、場所は寝覚めの寝所である。
直接の契機は伝わらない。
初句「寝覚めする」は、夜中に目を覚ます、の意である。本巻の第四百四十七首、第四百四十九首などに続く寝覚めの歌である。
二句「袖さへ寒く」の「さへ」は添加の副助詞で、身ばかりでなく袖までも寒く、の意である。
三句「秋の夜の」は、四句の「嵐」にかかる。
四句「嵐吹くなり」の「なり」は音声にもとづく推定の助動詞で、嵐の吹く音を聞き取っていることを示す。ここで句が切れる。
結句「松虫の声」は体言止めで、嵐の音の中に聞こえる松虫の声を最後に置く。袖の寒さ、嵐の音、松虫の声と、寝覚めの床で感じ取るものを重ねて、秋の夜の寂しさを描く。この結句は本巻の第四百七十四首と同じで、そちらでは人跡のない庭の露の底から聞こえた松虫の声が、本歌では嵐の吹く夜の中に置かれており、同じ声を静かな露の景と激しい嵐の景とで描き分けている。
ねざめ:夜中に目を覚ますこと
まつむし:秋に鳴く虫の名
- 作者
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大江嘉言
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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