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寝覚めする長月の夜の床寒み
今朝吹く風に霜や置くらん

歌の意味
寝覚めをする長月の夜の寝床が寒いので、今朝吹く風によって、外には霜が置いているのだろうか。
鑑賞
巻第五 秋歌下 519

詞書「千五百番歌合に」
 暮秋を詠む一連の五首目である。寝覚めをする長月の夜の寝床が寒いので、今朝吹く風に霜が置いているだろうかと推し量る。詞書によれば、千五百番歌合の歌として詠まれた。
 作者は左大臣徳大寺実定の子で、のちに左大臣に至った。春宮権大夫は、皇太子に仕える春宮坊の次官である。
 場面は陰暦九月の夜から明け方、場所は寒さに寝覚めをする寝所である。
 直接の契機は、建仁二年(1202)ごろに成立した千五百番歌合への詠進である。

 初句「寝覚めする」は、夜中に目を覚ます、の意である。
 二句「長月の夜の」の「長月」は陰暦九月で、秋の最後の月である。本巻の第四百九十首では「なが月」に夜の長さを掛けて寝覚めの道理としたが、本歌も長月の夜の寝覚めを詠んでいる。
 三句「床寒み」は、「…を…み」の「を」を省いた形で、寝床が寒いので、の意である。前歌の第五百十八首のさむしろの寒さを受けている。
 四句「今朝吹く風に」は、明け方に吹く風に、の意である。
 結句「霜や置くらん」の「や」は疑問の係助詞で、現在推量の助動詞「らむ」の連体形「らん」と係り結びをなす。寝床の寒さから、目に見えない外の霜を推し量る。第五百十七首、第五百十八首の霜夜を受けて、夜が明けて霜が置いているかと思いやり、晩秋から冬への移りを示している。

ながつき:陰暦九月
ねざめ:夜中に目を覚ますこと
作者
藤原公継
出典
新古今和歌集
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