- 歌の意味
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柞の林では、梢から落ちる雫までも色が変わっているのだろうか。森の下草も色づき、秋はすっかり深まったことだ。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌下 531
詞書「左大将に侍りける時、家に百首歌合し侍りけるに、柞をよみ侍りける」
紅葉を詠む一連の九首目である。柞原では雫までも色が変わるのか、森の下草にも秋の深まりが見えると詠む。詞書によれば、作者が左大将であったころ自邸で催した百首歌合で、「柞」を題として詠まれた。
作者は九条兼実の子で、摂政太政大臣に至り、後京極殿と称された。新古今集の仮名序を執筆した。
場面は秋の深まったころ、場所は柞の生い茂る森である。
直接の契機は、藤原良経が左大将であったころに自邸で催した百首歌合、いわゆる六百番歌合への詠進で、「柞」を題として詠まれた。
初句「柞原」は、コナラなどの柞の林で、題の「柞」を示す。前々歌の第五百二十九首と同じ語である。
二句「雫も色や」の「雫」は、柞の葉から滴り落ちる露や雨の雫で、「や」は疑問の係助詞として三句の「らん」と係り結びをなす。
三句「変はるらん」の「らん」は現在推量の助動詞「らむ」の連体形で、雫までも紅葉の色に変わっているのだろうか、と推し量る。ここで句が切れる。
四句「森の下草」は、森の木々の下に生える草で、紅葉した柞の葉から落ちる雫によって色づいたさまを示す。
結句「秋更けにけり」の「に」は完了の助動詞「ぬ」の連用形、「けり」は詠嘆で、秋が深まったことに気づいた感慨を表す。梢の紅葉が雫を染め、その雫が下草を染めるという、上から下へ色の伝わる見立てによって、森全体に及ぶ秋の深まりを示す。本巻の第四百六十四首では露が浅茅の上葉を色づかせたが、本歌では紅葉した梢の雫が下草を染めるとし、露と草の色づきを森の上下の構図に移している。次歌の第五百三十二首は同じ柞の題で、柞の森の嵐を川波の色から推し量る。
ははそはら:コナラなどの柞の林
したくさ:木の下に生える草
ふく:季節が深まる
- 作者
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藤原良経
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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