故郷は散る紅葉葉に埋もれて
軒のしのぶに秋風ぞ吹く
- 歌の意味
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荒れた故郷の家は散る紅葉に埋もれて、軒に生えた忍草に秋風が吹いている。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌下 533
詞書「障子の絵に、荒れたる宿に紅葉散りたる所をよめる」
紅葉を詠む一連の十一首目である。荒れた故郷の宿が散る紅葉に埋もれ、軒の忍草に秋風が吹くと詠む。詞書によれば、荒れた宿に紅葉の散る所を描いた障子の絵に添えた歌である。
作者は大納言源経信の子で、平安後期の歌人である。金葉集を撰進した。
場面は紅葉の散る晩秋、場所は障子絵に描かれた、人の住まなくなった荒れた宿である。
直接の契機は、荒れた宿に紅葉の散る所を描いた障子の絵に、歌を添えたことである。
初句「故郷は」の「故郷」は、昔住んでいて今は荒れた里や家で、詞書の「荒れたる宿」にあたる。
二句「散る紅葉葉に」は、絵に描かれた紅葉の散るさまを示す。
三句「埋もれて」は、宿が紅葉に覆い隠されるさまで、訪れる人の絶えたことを示す。本巻の第五百十五首の「木の葉に埋む宿の道芝」と同じく、木の葉に埋もれる宿を詠む。
四句「軒のしのぶに」の「しのぶ」は、軒に生える忍草と、昔を「偲ぶ」意とを掛ける掛詞である。忍草は荒れた家の軒に生えるものとして詠まれる。
結句「秋風ぞ吹く」の「ぞ」は強意の係助詞で、連体形「吹く」で結ぶ。紅葉に埋もれた宿と、軒の忍草を揺らす秋風とによって、昔をしのぶ荒廃の寂しさを絵の中に吹き込んでいる。この結句は本巻の第四百四十一首、第四百七十一首と同じで、鹿を尋ねた山裾、露のゆかりを尋ねた袖に続き、ここでは荒れた宿の軒に秋風が吹く。
ふるさと:昔住んでいて今は荒れた里や家
うづもる:覆い隠される、埋もれる
しのぶ:軒に生える植物の「忍草」と、昔を「偲ぶ」意を掛ける
- 作者
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源俊頼
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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