- 歌の意味
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筏師よ、待ってくれ、尋ねたいことがある。この川の上流では、どれほど激しく山の嵐が吹いているのか。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 554
詞書「後冷泉院御時、上の男ども大井川にまかりて、紅葉浮水といへる心をよみ侍りけるに」
落葉を詠む一連の二首目である。筏師に呼びかけて、これほど紅葉が流れてくる川上では、どれほど山の嵐が吹いているのかと尋ねる。詞書によれば、後冷泉天皇の御代に殿上人たちが大井川に出かけ、「紅葉浮水」の題で詠んだ歌である。
作者は後冷泉天皇の御代の廷臣である。原文の作者表記にある「朝臣」は、四位、五位の者の名に付ける敬称である。
場面は紅葉の流れる初冬、場所は山城国の大井川である。
直接の契機は、殿上人たちが大井川に出かけた折の「紅葉浮水」(紅葉水に浮かぶ)の題による詠である。
初句「筏師よ」は、筏を操って木材を川に流し下す人への呼びかけである。大井川は上流の丹波から材木を筏で運び下ろす川であり、その筏師に声をかける形で歌が始まる。
二句「待て言問はん」は、待ってくれ、尋ねよう、の意である。命令形「待て」で相手を呼び止め、「ん」は意志の助動詞である。呼びかけと命令を重ねた、口語に近い調子の上の句である。
三句「水上は」は、川の上流、水源をいう。水面に浮かんで流れてくる紅葉から、その来た方へと目を向ける。
四句「いかばかり吹く」は、どれほど激しく吹いているのか、の意である。目の前の川面の紅葉の多さから、見えない川上の風の強さを推し量る。
結句「山の嵐ぞ」は、「ぞ」で強く問いかけて結ぶ。前歌が波の音から紅葉の寄り集まるさまを推し量ったのに対し、この歌は流れてくる紅葉から川上の嵐を推し量っており、目の前の川から見えない原因を思うという構図が共通している。
いかだし:筏を操って木材を川に流し運ぶ人
こととふ:尋ねる、問いかける
みなかみ:川の上流、水源
うへのをのこ:殿上の間に昇ることを許された男性官人、殿上人
- 作者
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藤原資宗
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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