おのづから音するものは庭の面に
木の葉吹きまく谷の夕風
- 歌の意味
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ひとりでに音を立てるものは、庭の面に木の葉を吹き巻き上げる、谷の夕風である。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 558
詞書「題しらず」
落葉を詠む一連の六首目である。ひとりでに音を立てるものは、庭の面に木の葉を吹き巻き上げる谷の夕風であると詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は左京大夫藤原顕輔の子で、六条藤家の歌人として歌学書『袋草紙』『奥義抄』を著した。二条天皇の命で『続詞花和歌集』を撰んだが、天皇の崩御により勅撰集とはならなかった。
場面は夕暮れ、場所は谷に面した住まいの庭である。
直接の契機は伝わらない。
初句「おのづから」は、ひとりでに、自然に、の意である。人の立てる音ではないことを最初に示す。
二句「音するものは」は、音を立てるものは、と主題を提示する。前歌の「音ばかりして」を受け、音の主が何であるかを示す形になっている。
三句「庭の面に」は、庭の地面の上に、の意で、六音の字余りである。前歌の深山の峰から、住まいの庭へと場が移る。
四句「木の葉吹きまく」は、木の葉を巻き上げるように吹く、の意である。
結句「谷の夕風」は体言止めで、音の主を最後に明かす。前歌の「峰の嵐」に対して「谷の夕風」が置かれ、峰と谷、嵐と夕風が対比されている。
ふきまく:風が物を巻き上げるように吹く
- 作者
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藤原清輔
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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