木枯らしの音に時雨を聞き分かで
紅葉に濡るる袂とぞ見る
- 歌の意味
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木枯らしの音にまぎれて時雨の音を聞き分けられず、濡れた袂を、紅葉に濡れた袂と見るのである。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 575
詞書「題しらず」
時雨を詠む一連の六首目である。木枯らしの音にまぎれて時雨の音を聞き分けられず、濡れた袂を紅葉に濡れたものと見ると詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は村上天皇の皇子で、中務卿を務め、後中書王と呼ばれた。詩歌や学問に優れた。
場面は木枯らしの吹く初冬、場所は紅葉の散る所である。
直接の契機は伝わらない。
初句「木枯らしの」は、木の葉を吹き散らす冬の初めの強い風をいう。本巻の第五百六十九首の結句「木枯らしの風」と同じ風である。
二句「音に時雨を」は、木枯らしの音の中に時雨の音を、の意である。
三句「聞き分かで」は、聞き分けられないで、の意で、「で」は打消の接続助詞である。
四句「紅葉に濡るる」は、紅葉に濡れる、の意である。袂を濡らしたのは時雨であるのに、時雨の音に気づかないため、紅葉に濡れたと思うのである。
結句「袂とぞ見る」は、係助詞「ぞ」を受けて動詞「見る」の連体形で結ぶ係り結びである。本巻の第五百六十七首は、時雨と聞いた音を木の葉と知りながらその木の葉に濡れると詠んだが、この歌は時雨に濡れた袂を紅葉に濡れたものと見ており、時雨と木の葉の取り違えを逆の側から詠んでいる。
ききわく:聞いて区別する
- 作者
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具平親王
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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