時雨降る音はすれども呉竹の
などよとともに色も変はらぬ
- 歌の意味
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時雨の降る音はするのに、呉竹はどうしていつまでも色が変わらないのだろうか。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 576
詞書は前の歌に続き「題しらず」
時雨を詠む一連の七首目である。時雨の降る音はするのに、呉竹はどうしていつまでも色が変わらないのかと問う。詞書は前歌から続き題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は藤原利基の子で、従三位中納言に至り、賀茂川の堤に邸があったことから堤中納言と呼ばれた。紫式部の曾祖父で、三十六歌仙の一人である。
場面は時雨の降る初冬、場所は呉竹の生える所である。
直接の契機は伝わらない。
初句「時雨降る」は、時雨の降る、の意で、二句の「音」にかかる。
二句「音はすれども」の「ども」は逆接の接続助詞で、音はするのに、の意である。時雨は木の葉を染めるものとされており、その時雨が降っていることを音で知る。
三句「呉竹の」は、節の多い竹の一種である呉竹をいい、主語として結句へ続く。
四句「などよとともに」の「など」は、どうして、の意である。「よ」には、竹の節と節の間をいう「節(よ)」と、「世」の意が掛けられており、「世とともに」で、いつまでも、の意となる。「節」は呉竹の縁語として響いている。
結句「色も変はらぬ」は、色も変わらないのか、の意で、打消の助動詞「ず」の連体形「ぬ」で結ぶ。時雨は木の葉を染めるという通念に対し、染まらない呉竹を持ち出して、どうしてかと問う歌である。次歌の第五百七十七首も、時雨が常磐の杜の槙の下葉を染めかねたと詠み、時雨に染まらない常緑の木が続けて取り上げられている。
くれたけ:節の多い竹の一種
よ:竹の節と節の間をいう「節」の意と、「世」の意を掛ける
- 作者
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藤原兼輔
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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