真木の屋に時雨の音の変はるかな
紅葉や深く散り積もるらん
- 歌の意味
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真木の板で葺いた屋根に降る時雨の音が変わったことだ。紅葉が深く散り積もっているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 589
詞書「百首歌奉りし時」
時雨を詠む一連の二十首目である。真木の屋に降る時雨の音が変わったのを聞き、紅葉が深く散り積もったのだろうかと推し量る。詞書によれば、百首歌を奉った折の歌である。
作者は内大臣藤原公教の子で、左大臣に至り、のちに出家した。
場面は紅葉の散る初冬、場所は真木の板で屋根を葺いた家のうちである。
直接の契機は百首歌の詠進である。詞書には、どの催しでの百首であるかは記されていない。
初句「真木の屋に」は、杉や檜の板で屋根を葺いた家に、の意である。
二句「時雨の音の」は、屋根を打つ時雨の音をいう。
三句「変はるかな」は、変わったことだ、の意で、詠嘆の終助詞「かな」で切れる三句切れである。
四句「紅葉や深く」の「や」は疑問の係助詞で、結句の「らん」と呼応する。
結句「散り積もるらん」は、散り積もっているのだろうか、の意で、「らん」は目の前にない事柄の原因を推し量る助動詞である。家の内にいて見えない屋根の上の紅葉を、時雨の音の変化から推し量る構成で、本巻の第五百五十三首が波の音から紅葉の寄るさまを推し量ったのと同じ趣向である。次歌の第五百九十首も「真木の屋」を詠み、屋根を降り過ぎる初時雨を描いている。
まきのや:杉や檜などの板で屋根を葺いた家
- 作者
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三条実房
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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