吹き払ふ嵐ののちの高嶺より
木の葉曇らで月や出づらん
- 歌の意味
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木の葉を吹き払った嵐の過ぎた後の高嶺から、木の葉に曇らされることなく、月が出てくるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 593
詞書は前の歌に続き「題しらず」
冬の月を詠む一連の三首目である。嵐が木の葉を吹き払った後の高嶺から、木の葉に遮られることなく月が出るのだろうかと思いやる。詞書は前歌から続き題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は丹後守源頼行の娘で、源頼政の姪にあたる。九条兼実の家に仕え、のちに兼実の娘で後鳥羽天皇の中宮となった宜秋門院任子に仕えた。
場面は嵐の過ぎた冬の夜、場所は月の出る高嶺を望む所である。
直接の契機は伝わらない。
初句「吹き払ふ」は、木の葉を吹き払う、の意で、二句の「嵐」にかかる。
二句「嵐ののちの」は、嵐が過ぎ去った後の、の意である。
三句「高嶺より」は、高い峰から、の意で、月の出る場所を示す。本巻の第五百七十首が月を待つ高嶺の雲が晴れたと詠んだのと同じく、高嶺が月の出を待つ場として置かれている。
四句「木の葉曇らで」は、木の葉によって曇ることなく、の意で、「で」は打消の接続助詞である。
結句「月や出づらん」は、疑問の係助詞「や」を受けて推量の助動詞「らん」の連体形で結び、月が出るのだろうか、と推し量る。前歌が木の間から漏れる月を詠んだのに対し、この歌では嵐が木の葉をすべて払ったため木の葉に遮られない月を思い描いており、木の葉の多少によって月の見え方が段階を追って詠み進められている。
たかね:高い峰
- 作者
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宜秋門院丹後
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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