- 歌の意味
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霜の凍る袖にも、月の光は残って宿っていたことだ。露の頃から馴れ親しんできた有明の月の光が。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 594
詞書「春日歌合に暁月といふことを」
冬の月を詠む一連の四首目である。露の置いた頃から袖に宿って馴れ親しんだ有明の月の光が、霜の凍る冬の袖にもなお残っていると詠む。詞書によれば、春日歌合で「暁月」の題で詠まれた歌である。
作者は内大臣源通親の子で、『新古今和歌集』の撰者の一人である。
場面は霜の凍る冬の暁、場所は有明の月の光の差す所である。
直接の契機は、元久元年(1204)の春日社歌合での「暁月」の題による詠である。詞書の「春日歌合」はこの歌合を指す。
初句「霜凍る」は、霜が凍りつく、の意で、冬の暁の厳しい寒さを示す。
二句「袖にも影は」の「影」は月の光をいう。「も」によって、露の頃だけでなく霜の凍る袖にも、という意が添えられる。袖に宿る月の光は、涙に濡れた袖に映る月をいう。
三句「残りけり」は、残っていたことだ、の意で、「けり」は気づきの詠嘆を表す。ここで切れる三句切れで、下の句とは倒置の関係になる。
四句「露より馴れし」は、露の頃から馴れ親しんできた、の意で、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。秋の露に宿った月から、冬の霜の袖に残る月へと、時の経過が示される。
結句「有明の月」は体言止めで、題の「暁月」を示す。露が霜へと移っても変わらずに袖に宿る月を詠んでおり、巻頭の第五百五十一首が袖の露が霜に結ぶことで冬の到来を知ったのと、露から霜への推移を袖の上で捉える点で呼応している。前歌までの紅葉と月の取り合わせから、紅葉の尽きた暁の月へと移っている。
かげ:月の光
ありあけのつき:夜が明けても空に残っている月
- 作者
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源通具
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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