我が門の刈田の寝屋に臥す鴫の
床あらはなる冬の夜の月
- 歌の意味
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我が家の門前の、稲を刈り取った田を寝屋として臥す鴫の、その寝床があらわに照らし出される冬の夜の月よ。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 606
詞書は前の歌に続き「題しらず」
冬の月を詠む一連の十六首目である。門前の刈田に臥す鴫の寝床が、冬の夜の月にあらわに照らし出されると詠む。詞書は前歌から続き題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は藤原信成の娘で、後白河天皇の皇女である殷富門院亮子内親王に仕えた女房である。
場面は冬の夜、場所は住まいの門前に広がる刈田である。
直接の契機は伝わらない。
初句「我が門の」は、我が家の門前の、の意である。
二句「刈田の寝屋に」は、稲を刈り取った後の田を寝屋として、の意である。「寝屋」は寝所をいい、鴫のねぐらを人の寝所になぞらえている。
三句「臥す鴫の」は、臥している鴫の、の意である。巻第四の第三百六十二首に「鴫立つ沢の秋の夕暮」と詠まれるように、鴫は秋の景物として詠まれてきたが、ここでは冬の刈田に臥す鴫が詠まれている。
四句「床あらはなる」は、寝床があらわになっている、の意である。稲の茂っていた頃には隠れていた鴫の寝床が、刈り取られてむき出しになり、月の光に照らされる。
結句「冬の夜の月」は体言止めで、寝床をあらわにするものを示す。前歌が木の葉の散って隈なくなった庭の月を詠んだのに対し、この歌は稲が刈られて隠れる所のなくなった田の月を詠んでおり、覆うものが失われて月の光にさらされるという構図が、庭から田へ、木の葉から稲へと移されている。
かりた:稲を刈り取った後の田
ねや:寝所
しぎ:水辺にすむ鳥の一種
とこ:寝床
- 作者
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殷富門院大輔
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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