夏刈の荻の古枝は枯れにけり
群れゐし鳥は空にやあるらん
- 歌の意味
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夏に刈った荻の古枝は、すっかり枯れてしまった。そこに群れていた鳥は、今は空にいるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 612
詞書「題しらず」
霜と冬枯れを詠む一連の二首目である。夏に刈った荻の古枝が枯れてしまい、そこに群れていた鳥は今は空にいるのだろうかと思いやる。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は清和源氏の出で、三十六歌仙の一人である。晩年は陸奥守藤原実方に従って陸奥に下り、その地で没した。
場面は草の枯れる冬、場所は荻の生える所である。
直接の契機は伝わらない。
初句「夏刈の」は、夏に刈り取った、の意で、二句の「荻」にかかる。
二句「荻の古枝は」の「古枝」は、古くなった枝をいう。前歌までの月と霜の景から、枯れた草の景へと移っている。
三句「枯れにけり」は、枯れてしまったことだ、の意で、「けり」は気づきの詠嘆を表す。ここで切れる三句切れである。
四句「群れゐし鳥は」は、群がってとまっていた鳥は、の意で、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。
結句「空にやあるらん」は、疑問の係助詞「や」を受けて推量の助動詞「らん」の連体形で結び、空にいるのだろうか、と推し量る。荻が枯れて身を寄せる所のなくなった鳥の行方を思いやる歌で、本巻の第六百六首が刈田にさらされる鴫の寝床を詠んだのと同じく、覆うものを失った鳥の姿を詠んでいる。次歌の第六百十三首も、霜の置く夜の鶴を詠んでいる。
をぎ:水辺などに生えるイネ科の草
ふるえ:古い枝
むれゐる:群がってとまる
- 作者
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源重之
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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