- 歌の意味
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冬の夜の長い時を過ごし送る袖は、濡れてしまった。暁方に四方から吹きつける嵐のなかで。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 614
詞書「冬の歌の中に」
霜と冬枯れを詠む一連の四首目である。冬の長い夜を過ごし送る袖が、暁方に四方から吹く嵐のなかで濡れてしまったと詠む。詞書によれば、冬の歌として詠まれた歌の中の一首である。
作者は高倉天皇の皇子で、譲位ののち院政をしき、和歌所を設けて『新古今和歌集』の撰進を命じた。
場面は冬の夜の暁方、場所は四方から嵐の吹きつける所である。
直接の契機は、詞書に「冬の歌の中に」とあるのみで伝わらない。
初句「冬の夜の」は、二句の「長き」にかかる。
二句「長きを送る」は、長い夜を過ごし送る、の意である。冬の夜の長さを、一夜かけて過ごしてきたことを示す。
三句「袖濡れぬ」は、袖が濡れてしまった、の意で、「ぬ」は完了の助動詞である。ここで切れる三句切れで、下の句とは倒置の関係になる。
四句「暁方の」は、夜明け前の時分の、の意である。
結句「四方の嵐に」は、四方から吹く嵐のなかで、の意で、袖の濡れた時と状況を最後に示す。長い冬の夜を明かした末の暁に、四方の嵐の音を聞く寂しさによって、涙に袖が濡れることが示されている。前歌の霜夜の鶴の寒さから、長い冬の夜を明かす人の袖へと移り、次歌の第六百十五首も嵐の吹く深山の霜を詠んでいる。
あかつきがた:夜明け前のまだ暗い時分
よも:四方、あらゆる方角
- 作者
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後鳥羽院
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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