- 歌の意味
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霜の冷え冷えと置く山田の畦に群がって生える薄は、刈る人もいないので、刈られずに残っているこの頃であることよ。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 618
詞書「百首歌の中に」
霜と冬枯れを詠む一連の八首目である。霜の冴える山田の畦に、刈る人もないまま薄が群がって残っていると詠む。詞書によれば、百首歌の中の一首である。
作者は関白藤原忠通の子で、天台座主を四度務め、歴史書『愚管抄』を著した。
場面は霜の冴える冬、場所は山あいの田の畦である。
直接の契機は百首歌の詠進である。詞書には、どの百首であるかは記されていない。
初句「霜冴ゆる」は、霜が冷え冷えと置く、の意で、二句の「山田」にかかる。
二句「山田の畔の」の「畔」は、田と田の境の盛り上がった所、あぜをいう。
三句「むら薄」は、群がって生えている薄をいう。
四句「刈る人なしみ」は、刈る人がいないので、の意で、「〜み」は原因、理由を表す語法である。
結句「残る頃かな」は、詠嘆の終助詞「かな」で結ぶ。刈る人もないまま霜の中に残る薄に、人の手の及ばない山田の寂しさを詠んでいる。本巻の第六百六首が刈り取られた田のあらわな寝床を詠んだのに対し、この歌は刈り残された薄を詠み、刈られたものと残されたものとが対になっている。前歌の枯れて見分けのつかない草の原から、枯れながらも残る薄へと移っている。
やまだ:山あいにある田
くろ:田と田の境の盛り上がった所、あぜ
むらすすき:群がって生えている薄
- 作者
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慈円
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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