寂しさに堪へたる人のまたもあれな
庵並べん冬の山里
- 歌の意味
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この寂しさに堪えている人が、私のほかにもいてほしい。庵を並べて住もう、この冬の山里に。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 627
詞書「題しらず」
霜と冬枯れを詠む一連の十七首目である。冬の山里の寂しさに堪えている人がほかにもいてほしい、庵を並べて住もうと詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は俗名を佐藤義清といい、鳥羽院の北面の武士であったが、二十三歳で出家して諸国を旅し、家集『山家集』を残した。
場面は冬、場所は庵を結ぶ山里である。
直接の契機は伝わらない。
初句「寂しさに」は、冬の山里の寂しさに、の意である。
二句「堪へたる人の」は、堪えている人が、の意で、「たる」は存続の助動詞「たり」の連体形である。寂しさから逃れようとする人ではなく、寂しさに堪えて住む人を求めている。
三句「またもあれな」は、ほかにもいてほしい、の意で、「な」は願望を表す終助詞である。六音の字余りで、ここで切れる三句切れである。
四句「庵並べん」は、庵を並べて住もう、の意で、「ん」は意志の助動詞である。
結句「冬の山里」は体言止めで、その場所を最後に示す。孤独を求めて山里に住みながら、同じ寂しさに堪える友を求めるという心の揺れを詠んでいる。前歌までの冬枯れの景から、冬の山里に住む人の心へと移り、次歌の第六百二十八首も、遠く離れた地から都の人を思う心を詠んでいる。
いほり:草木で作った粗末な住まい
やまざと:山あいにある人里
- 作者
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西行
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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