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水上や絶え絶え凍る岩間より
清滝川に残る白波

歌の意味
川上では途切れ途切れに凍っている岩の間から流れ出て、清滝川に残る白波よ。
鑑賞
巻第六 冬歌 634

詞書「五十首歌奉りし時」
 氷を詠む一連の六首目である。水上の岩間は途切れ途切れに凍り、その間から流れ出る水が清滝川に白波となって残ると詠む。詞書によれば、五十首歌を奉った時の歌である。
 作者は原文に記されず、前歌から続いて藤原良経である。関白九条兼実の子で、摂政太政大臣に至り、『新古今和歌集』の仮名序を執筆した。
 場面は川上の凍る冬、場所は山城国の清滝川である。
 直接の契機は五十首歌の詠進である。詞書には、どの催しでの五十首であるかは記されていない。

 初句「水上や」は、川上では、の意で、「や」は詠嘆を込めて場所を示す間投助詞である。本巻の第五百五十四首の「水上は」と同じく、目の前の川から見えない川上へと思いを向けている。
 二句「絶え絶え凍る」は、途切れ途切れに凍る、の意である。
 三句「岩間より」は、岩の間から、の意で、本巻の第六百三十一首、第六百三十二首に続いて「岩間」の語が置かれている。
 四句「清滝川に」は、山城国の歌枕で、愛宕山の麓を流れる清滝川に、の意である。
 結句「残る白波」は体言止めで、凍り残った流れに立つ白波をいう。川上が途切れ途切れに凍っても、なお凍らずに残る流れが白波となって見える景で、凍るものと残るものとを対比している。本巻の第六百三十一首が凍っては砕ける山川の音を聞いたのに対し、この歌は凍り残る流れの白波を見ており、同じ岩間の水を音と色とで詠み分けている。

みなかみ:川の上流、水源
しらなみ:白く泡立つ波
作者
藤原良経
出典
新古今和歌集
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