見るままに冬は来にけり鴨のゐる
入江の汀薄氷りつつ
- 歌の意味
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見ているうちに、冬はやって来たのだった。鴨のいる入江の水際は、しだいに薄く凍ってゆく。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 638
詞書「百首歌の中に」
氷を詠む一連の十首目である。見ているうちに冬が来て、鴨のいる入江の水際が薄く凍ってゆくと詠む。詞書によれば、百首歌の中の一首である。
作者は後白河天皇の皇女で、賀茂斎院を務め、藤原俊成に和歌を学んだ。
場面は冬の初め、場所は鴨のいる入江の水際である。
直接の契機は百首歌の詠進である。詞書には、どの百首であるかは記されていない。
初句「見るままに」は、見ているうちに、見る見るうちに、の意である。
二句「冬は来にけり」は、冬はやって来たのだった、の意で、「けり」は気づきの詠嘆を表す。ここで切れる二句切れである。
三句「鴨のゐる」は、鴨のいる、の意で、四句の「入江」にかかる。
四句「入江の汀」は、入江の水際をいう。
結句「薄氷りつつ」は、しだいに薄く凍ってゆく、の意で、「つつ」は継続を表す。汀から少しずつ薄氷が張ってゆくさまを見ているうちに冬の到来を実感するという、目の前の変化によって季節を知る歌である。前歌までの宇治の橋姫の二首から、再び氷の景へと戻り、次歌の第六百三十九首も汀から凍ってゆく志賀の浦を詠んでいる。
いりえ:海や湖が陸に入り込んだ所
みぎは:水際
- 作者
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式子内親王
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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