- 歌の意味
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浦人の衣の紐を結う、その日も夕暮れとなる鳴海潟よ。家へ帰る浦人の袖のあたりから、千鳥の鳴く声がする。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 650
詞書「同じ所」
千鳥を詠む一連の十首目である。日も夕暮れとなった鳴海潟で、家路につく浦人の袖のあたりから千鳥の声が聞こえると詠む。詞書によれば、前歌と同じ最勝四天王院の障子の鳴海の浦の絵に添えた歌である。
作者は内大臣源通親の子で、源通具の弟にあたり、のちに太政大臣に至った。
場面は夕暮れ、場所は尾張国の鳴海潟である。
直接の契機は、前歌と同じく、最勝四天王院の障子に描かれた鳴海の浦の名所絵に添えるための詠である。
初句「浦人の」は、浦に住む人、漁師などの、の意である。
二句「ひも夕暮に」の「ひも」には、「日も」の意と、衣の「紐」の意が掛けられ、紐を「結ふ」ことから「夕暮」が導かれている。浦人の衣の紐を示しつつ、日も夕暮れになったことをいう。
三句「なるみ潟」の「なる」には、夕暮れに「なる」意と、地名の「鳴海」が掛けられている。
四句「帰る袖より」は、家へ帰る浦人の袖のあたりから、の意である。二句の「紐」と「袖」とは衣の縁語である。
結句「千鳥鳴くなり」の「なり」は、音によって推し量る伝聞推定の助動詞である。夕暮れに家路につく浦人の袖のあたりから千鳥の声が立つという、人の動きと千鳥の声とを一つの景に重ねた歌である。前歌と同じ障子絵に添えた歌で、前歌が波に隔てられる千鳥を恋の心で詠んだのに対し、この歌は浦人の暮らしの中に鳴く千鳥を詠んでいる。本巻の第六百四十一首、第六百四十三首と同じく、「千鳥鳴くなり」の結句で結ばれている。
うらびと:浦に住む人、漁師
ひも:「日も」の意と、衣の「紐」の意を掛ける
なるみがた:夕暮れになる意に、地名の鳴海潟を掛ける
- 作者
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源通光
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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