閨の上に片枝さしおほひ外面なる
葉広柏に霰降るなり
- 歌の意味
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寝所の上に片方の枝をさしかけて覆っている、家の外にある葉の広い柏に、霰の降る音がする。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 655
詞書は前の歌に続き「題しらず」
霰を詠む一連の一首目である。寝所の屋根に枝をさしかけている家の外の葉広柏に、霰の降る音がすると詠む。詞書は前歌から続き題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は俗名を橘永愷といい、若くして出家し、諸国の歌枕を訪ねて旅をした。歌学書『能因歌枕』を著した。
場面は霰の降る冬の夜、場所は柏の木のそばの住まいである。
直接の契機は伝わらない。
初句「閨の上に」は、寝所の上に、の意で、六音の字余りである。
二句「片枝さしおほひ」は、片方の枝をさしかけて覆い、の意で、八音の字余りである。
三句「外面なる」は、家の外にある、の意である。
四句「葉広柏に」は、葉の広い柏に、の意である。
結句「霰降るなり」の「なり」は、音によって推し量る伝聞推定の助動詞である。寝所の中にいて、屋根に枝をさしかける柏の広い葉を打つ霰の音を聞く歌で、葉が広いことによって霰の音がいっそう高く響くことを示している。前歌までの水鳥の一連から霰の一連へと移り、次歌の第六百五十六首も霰を詠んでいる。
ねや:寝所
かたえ:片方の枝
そとも:家の外、外側
はびろがしは:葉の広い柏
- 作者
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能因
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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