白山に年ふる雪や積もるらん
夜半に片敷く袂冴ゆなり
- 歌の意味
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白山には、年を経て降り続ける雪が積もっているのだろうか。夜半に独り寝に片敷く袂が冷え冷えとすることだ。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 666
詞書「題しらず」
雪を詠む一連の十首目である。夜半に独り寝の袂が冷え冷えとするのを感じて、遠い白山に年を経て降る雪が積もっているのだろうかと推し量る。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は関白藤原頼忠の子で、権大納言に至った。詩歌管絃に通じ、『和漢朗詠集』を撰んだ。
場面は冬の夜半、場所は独り寝の寝所である。
直接の契機は伝わらない。
初句「白山に」は、加賀国の歌枕で、加賀と越前などの境にそびえる白山に、の意である。雪深い山として詠まれてきた。
二句「年ふる雪や」の「ふる」には、年を「経る」意と、雪が「降る」意が掛けられている。「や」は疑問の係助詞で、三句の「らん」と呼応する。
三句「積もるらん」は、積もっているのだろうか、の意で、「らん」は目の前にない事柄を推し量る現在推量の助動詞である。ここで切れる三句切れである。
四句「夜半に片敷く」は、夜中に独り寝をするために片袖を敷く、の意である。
結句「袂冴ゆなり」は、袂が冷え冷えとすることだ、の意で、「なり」は推し量る意の伝聞推定の助動詞である。身近な袂の冷たさを根拠に、遠い白山に積もる雪を推し量る構成で、本巻の第六百五十七首が野の浅茅の色から遠い峰の淡雪の寒さを推し量ったのと同じく、近くのものから遠い雪を知る歌である。前歌までの雪の朝の贈答から、独り寝の夜半の雪へと移っている。
ふる:年を経る意と、雪が降る意を掛ける
かたしく:衣の片袖だけを敷いて独り寝をする
たもと:袖、特に袖の垂れ下がった部分
- 作者
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藤原公任
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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