- 歌の意味
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私の待つ人が通ってくる麓の道は、もう絶えてしまっただろう。軒端の杉に雪が重く積もってゆくらしい。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 672
詞書「摂政太政大臣、大納言に侍りける時、山家雪といふことをよませ侍りけるに」
雪を詠む一連の十六首目である。軒端の杉に雪が重く積もってゆくのを知り、待つ人の通う麓の道はもう絶えてしまっただろうと思う。詞書によれば、藤原良経がまだ大納言であった時に、「山家雪」の題で人々に歌を詠ませた折の歌である。
作者は原文に記されず、前歌から続いて藤原定家である。藤原俊成の子で、『新古今和歌集』の撰者の一人であり、のちに『新勅撰和歌集』を撰進した。
場面は雪の降る冬、場所は杉の立つ山の住まいである。
直接の契機は、藤原良経が大納言であった時に人々に詠ませた「山家雪」(山の住まいの雪)の題による詠である。
初句「待つ人の」は、自分が訪れを待つ人の、の意である。
二句「麓の道は」は、山の麓から通ってくる道は、の意である。
三句「絶えぬらん」は、途絶えてしまっただろう、の意で、「ぬ」は完了の助動詞、「らん」は現在推量の助動詞である。ここで切れる三句切れで、下の句とは倒置の関係になる。
四句「軒端の杉に」は、軒先に立つ杉に、の意である。
結句「雪重るなり」は、雪が重く積もってゆくらしい、の意で、「なり」は推し量る意の伝聞推定の助動詞である。杉の枝のたわむ気配によって雪の重さを知り、そこから見えない麓の道の雪の深さを推し量って、待つ人の来られないことを知る構成である。前歌の雪の中を行く旅人から、雪の中で人を待つ山の住まいへと移り、本巻の第六百六十三首の深山の里で人を待つ心とも通じている。次歌の第六百七十三首も、雪によって道の絶えることを詠んでいる。
のきば:軒の端
おもる:重くなる
- 作者
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藤原定家
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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