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夢通ふ道さへ絶えぬ呉竹の
ふしみの里の雪の下折れ

歌の意味
夢の中で通う道さえも絶えてしまった。伏見の里で、雪の重みに呉竹が下折れする音に目覚めて。
鑑賞
巻第六 冬歌 673

詞書「同じ家にて、所の名を探りて冬歌よませ侍りけるに、伏見里雪を」
 雪を詠む一連の十七首目である。伏見の里で、雪の重みに呉竹が下折れする音に目覚め、夢の通い路さえ絶えてしまったと詠む。詞書によれば、前歌と同じ藤原良経の家で、所の名を探り取って冬の歌を詠ませた折に、「伏見里雪」を得て詠んだ歌である。
 作者は藤原重家の子で、六条藤家の歌人であり、『新古今和歌集』の撰者の一人である。
 場面は雪の降る夜、場所は山城国の伏見の里である。
 直接の契機は、藤原良経の家で、所の名を探り取って冬の歌を詠んだ折の、「伏見里雪」(伏見の里の雪)の題による詠である。

 初句「夢通ふ」は、夢の中で恋しい人のもとへ通う、の意である。
 二句「道さへ絶えぬ」は、夢の通い路さえも絶えてしまった、の意で、「さへ」は添加を表す副助詞、「ぬ」は完了の助動詞である。ここで切れる二句切れである。前歌の「麓の道は絶えぬらん」を受け、現実の道から夢の道へと、絶えるものが移っている。
 三句「呉竹の」は、節の多い竹である呉竹の、の意で、その「節」から四句の「ふし」を導く。
 四句「ふしみの里の」は山城国の歌枕で、今の京都市伏見区のあたりである。「ふし」には呉竹の「節」の意と、地名の「伏見」が掛けられている。
 結句「雪の下折れ」は体言止めで、雪の重みで竹が折れることをいう。竹の折れる音で目が覚め、夢の通い路が絶えたという因果を、倒置の形で最後に示している。本巻の第六百六十七首と同じ結句であり、そこでは寝覚めの床に聞く籬の竹の下折れが、ここでは夢を破る呉竹の下折れが詠まれている。

くれたけ:節の多い竹の一種
ふしみ:竹の「節」の意と、地名の伏見を掛ける
したをれ:雪などの重みで、枝や幹が折れること
さぐる:探り取る
作者
藤原有家
出典
新古今和歌集
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