田子の浦にうち出でて見れば白妙の
富士の高嶺に雪は降りつつ
- 歌の意味
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田子の浦に出て眺めると、真っ白な富士の高嶺に、雪がしきりに降り続いている。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 675
詞書「題しらず」
雪を詠む一連の十九首目である。田子の浦に出て眺めると、真っ白な富士の高嶺に雪が降り続いていると詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は奈良時代の宮廷歌人で、自然の景を詠んだ歌にすぐれ、後世に柿本人麻呂と並んで歌聖と称された。三十六歌仙の一人である。
場面は冬、場所は駿河国の田子の浦から富士山を望む所である。
直接の契機は伝わらない。
この歌は『万葉集』巻第三に山部赤人の長歌の反歌として収められ、そこでは「田子の浦ゆうち出でて見ればま白にそ不尽の高嶺に雪は降りける」とする。『小倉百人一首』にも採られている。
初句「田子の浦に」は駿河国の歌枕で、今の静岡県の駿河湾沿いの海岸をいい、六音の字余りである。
二句「うち出でて見れば」は、視界の開けた所に出て眺めると、の意で、八音の字余りである。
三句「白妙の」は、真っ白な、の意で、四句の「富士の高嶺」の雪の白さを示す。
四句「富士の高嶺に」は、富士山の高い峰に、の意である。
結句「雪は降りつつ」は、雪が降り続いている、の意で、「つつ」は継続を表し、言いさして余情を残す。浦に出たとたんに目に飛び込む富士の高嶺の白さと、そこに今も降り続く雪とを、遠望の雄大な景として詠んでいる。前歌の煙の絶えた陸奥の塩竈の浦の寂しい景から、駿河の田子の浦から望む富士の雄大な景へと、浦からの眺めが移っている。
しろたへ:真っ白なこと、また白い布
たかね:高い峰
- 作者
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山部赤人
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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